「パスをつなげろ」「ボールを持て」
サッカーをやってたことがあるものなら、誰しも一度はコーチから受けたことがある指示だろう
だが、その本当の意味を私たちはどれだけ理解していただろうか
何が目的で、何のためにボールをつなぐ必要があるのか
この記事では「ポゼッション」とは何か、その目的から原則までを一つの記事で体系的に解説する
1:「ポゼッション」の本当の目的
サッカーにおける最大の誤解の一つを解くことから始めましょう
ポゼッションの目的は、ボールを保持し続けることではない
では、本当の目的は何か?
それは、「ボールを動かすことで、相手の守備陣形を動かし、綻びを生み出し、最終的にフリーな選手を作り出すこと」が目的
言い換えると「時間」と「スペース」を作り出す事なのだ
では、一体どのようにして「時間」と「スペース」を生み出しているか
その答えが、「ポゼッション」なのだ
2:フリーな選手を作るには
では、どうやって「フリーマン」を生み出すのか
それはピッチの各局面で作り出す「3つの優位性」によって成り立ちます
- 数的優位: ボール周辺で、相手より多い人数を確保する
これによりパスコースが増え、ボールを失うリスクが減る - 位置的優位: 相手のギャップや死角など、戦術的に有利なポジションを取る
相手はその選手のためにポジションをずらすことでスペースが生まれる - 質的優位: チームのエースを、相手の苦手なディフェンダーと1対1にさせるなど、
選手の「個の質」が最大限に活きる状況を作り出すことです。
これらの優位性を意識的に作り出すことで、相手の守備陣形に綻びを作り、
フリーな選手が生まれる「時間」と「スペース」を作り出すのです
3:守備的ポゼッション
ポゼッションの役割は何も「時間」と「スペース」を作り出すだけではない
ポゼッションは守備にもなるのだ
「攻撃は最大の防御」とはよく言ったもので
当たり前の話だが、攻撃している間に相手は攻めることはできない
そのためポゼッションをしている間にミスをしない限り失点することはないのだ
カウンターやスピードを上げたプレーをすると得点の可能性は高まるが
失点の可能性も上がることに注意する必要がある
そのため、ゆっくりしたプレーというのは精度を上げて失点のリスクを減らし
相手を引きつくて「スペース」を作り、ゆっくりすることで「時間」も作り出すプレーなのだ
これは車の運転に例えると分かりやすい
速い速度で走ると目的地に早く着く可能性があるが、運転技術が必要で事故の可能性も上がる
一方、遅い速度で走ると目的地に着くのは遅くなるが、技術も早いときよりは容易で事故の可能性も下がる
目的地をゴール、運転技術をサッカーのスキル、自己を失点とすると分かりやすいだろう
(目的地に必ず着くのゴールが確実に入るサッカーとは例としては微妙だが
あくまでイメージとしてこのようなイメージを持ってほしい)
4:まとめ
ここまで読んでくださってありがたいが
私が言いたいのは「遅いプレーこそ正解」と言いたいのではなく
そのときそのときの相手の状況によってプレーを選択すること
これこそがサッカーの魅力なのだと知ってもらいたい
次にサッカーを観戦するときは
是非「ピッチのどこで、どちらのチームが「時間」と「スペース」を支配しているか?」
という視点で観戦してみてほしい
これまでとは全く違った、サッカーの奥深い世界が見えてくるはずだ
参照
[1] https://juegodeposicion.wordpress.com/2019/05/29/understanding-el-juego-de-posicion-part-1/
[2] https://spielverlagerung.com/2014/11/26/juego-de-posicion-a-short-explanation/
[3] https://nuevequince.wordpress.com/2016/03/18/breve-decalogo-del-juego-de-posicion-en-sus-origenes/
[4] https://www.martiperarnau.com/el-juego-de-posicion/
[5] https://juegodeposicion.wordpress.com/2019/07/02/understanding-el-juego-de-posicion-part-2/
[6] https://www.sport.es/es/noticias/opinion/la-presion-como-consecuencia-1300481
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