「駅前にあったはずの銀行がいつの間にかATMだけになっている」「店舗自体無くなっている」そんな光景を目にしたことはありませんか?
生活の中でスマートフォンが中心になることで、銀行はネット銀行という新しい形態になり、大手の銀行はあまり見なくなりました。なぜネット銀行は増え続けているのか?そして、大手銀行はどうなるのか?この記事では銀行の現状と展望について解説していきます。
銀行の違い
ネット銀行と大手銀行の違いを表にしてみると以下のようになります。
| 銀行 | ネット銀行 | 大手銀行 |
| 店舗 | なし | あり |
| 利用方法 | スマホ・パソコン | ATMなど |
| 営業時間 | 24時間 | 日中 |
| 手数料 | 安いまたは無料回数が多い | 高い |
| 通帳 | なし | あり |
この表からも分かる通り、24時間365日いつでも手元のアプリで全てが完結するのが当たり前になった昨今、平日の17時までという制限はもはやライフスタイルに合わなくなっています。このユーザーのライフスタイルに合わせたものがネット銀行なのです。
経営者から見るネット銀行
経営者からするとかつての銀行は店舗や人員、ATMといった巨大な固定費を抱えているため、このコストを賄うために手数料を高くする必要があります。
しかし、ネット銀行だと店舗を持たずに人員も最小限で済むので固定費が低く済むことで運営がしやすくなっています。
ユーザーから見るネット銀行
また、ネット銀行は預金や振込ができるだけではなく、アプリの中で、証券口座と連携して簡単に投資ができたり、さらにはポイント経済圏と結びついていたりと、あらゆる金融サービスをつなぐことで、ユーザーが扱いやすくなっている。
大手銀行の強み
大手銀行は自らの強みを活かす形で大規模な変革を進めています。
つまり、ネット銀行と大手銀行で棲み分けているのです。
1. 店舗:残った店舗の役割を「手続きをする場所」から「投資やローン、融資などの専門相談する場所」へと変貌しているのです。
2. デジタル化:アプリ開発やネットバンキングの機能改善に巨額の投資を行っていて、将来的には「日常的な取引は、高性能なアプリでネット銀行のように」という事も目指している。
3. 信頼:何年もの間に積み重ねられた社会的信用は最大の武器であり、数千万円の住宅ローンを組んだり、法人が数億円規模の融資を受けたりする際に、信頼やブランド力は非常に重要です。
このような強みが大手銀行にはありますが、規模や従来のシステムといった点でネット銀行には及ばないため、この3つの強みを生かした方向に進むこととなるでしょう。
銀行業界の展望
今後、銀行業界では更なる棲み分けが進むことが考えられ、
- 日常の決済など:便利なネット銀行
- 住宅ローンなど:相談でき、信頼のある大手銀行
このような使い分けになっていくと考えられます。
また、大手銀行はBaaS(Banking as a Service)というビジネスを展開しており、これは大手銀行の決済サービスを作り、収入減を増やそうという動きです。
このように、大手銀行も形を変えて堅牢な収入源を作り出そうとしているのです。
まとめ
大手銀行がネット銀行と「ネット」という舞台で競争することは難しく、それぞれが違った形態として変革を遂げています。
この競争はユーザーにとって、便利で質の高いサービスが生まれる可能性が高く、多くのメリットが得られるでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ご意見・ご質問・ご要望がある方は以下のTwitterやInstagramのdmまでよろしくお願いいたします。
参考文献
https://www.nikkin.co.jp/nikkin_m/media/management
https://www.nttdata.com/jp/ja/trends/data-insight/2023/0112/


コメント