【自民党総裁選】消えた826票で小泉さんと高市さんの票にどのような影響が⁉

ラボ
出典:自由民主党ホームページ

「自民党総裁選で、小泉進次郎さんの陣営が神奈川県の党員826人を勝手に離党させていた」
というニュースを見て、

「たった826の党員票で選挙の結果なんて変わるの?」
「826の党員票も抹消していたのか」

様々な考え方があると思いますが、今回その結果を調べてみました!

自民党総裁選の仕組み

【第1回投票】 合計590票の中で過半数である296票以上を獲得した候補者が当選する。

  • 議員票(295票): 国会議員一人一票で投票する。
  • 党員票(295票): 全国の党員・党友による予備選挙の結果を、各都道府県の党員数に応じて
            「ドント式」で各候補者に比例分配する。

【決選投票】 第1回投票で過半数を獲得した候補者がいない場合には上位2名で決選投票が行われ、 
       合計342票で多くの票を獲得した候補者が当選する。

  • 議員票(295票): 国会議員が再度投票する。
  • 都道府県連票(47票): 各都道府県連に1票ずつ割り当てられる。

党員票の流れ

全国の党員・党友が投じる一票一票が、直接「党員票295票」の中の1票になるわけではない
ということが重要です。

全国の党員・党友による投票は予備選挙で、この予備選挙の各都道府県での得票結果をもとに
「ドント方式」を用いて、各候補者に295票を比例分配していきます。

具体的な流れは以下の通りです。

ステップ1:各都道府県への票の割り当て

  • まず、党員票の総数である295票を、47都道府県の党員数に応じて比例分配する。
    (例えば、党員数が多い東京都には多くの票が割り当てられる)
  • これにより、各都道府県に票が与えられる。

ステップ2:各都道府県で党員・党友の予備選挙

  • 全国の党員・党友が、自分の所属する都道府県で、支持する候補者に投票する。
  • この結果、各都道府県ごとに候補者別の実際の党員・党友票数が確定する。

ステップ3:「ドント式」で各都道府県の票を分配

そして、実際の党員・党友票数を使って、各都道府県の票を各候補者に分配する。

ドント式とは

ドント式とは、各候補者の得票数を1、2、3と順に整数で割り、その商の大きい候補者から
票が割り振られる。
ここでは分かりにくいので党員が投票する票を「党員票」としておく、

例えば武蔵県には6票の持ち票があり、

  • 神 10000党員票
  • 奈 7000党員票
  • 川 3000党員票

と投票されると

  • 神 3票
  • 奈 2票
  • 川 1票

といった具合になる。
以下に分かりやすいよう図を張り付けておきます。

826票でどのくらいの影響を与えるのか

今回の826票の9割以上が高市さんの支持者だったことから、
今回の検証では826人すべて高市さんの支持者だと仮定します。

今回問題となったのは神奈川県連なので、
神奈川県は12票を割り当てられているということで、

826票の影響が最大になるのは、高市さんが獲得するはずの1議席が、
826票によって小泉さんに移る場合なので、実際に具体例で考えてみたいと思います。

前提

  • 神奈川県の持ち票: 12票
  • 除かれた高市派の票数: 826票
  • 小泉氏の党友票数: 29,000票
  • 高市氏の党友票数: 24,500票

このようにしてのぞかれた票がすべて高市派になると仮定しているので、

  • 小泉氏の党友票数: 29,000票
  • 高市氏の”真”の党友票数: 25,326票

これらを図にすると、

結論

シミュレーションの結果が示すのは、826党員票が神奈川県における最後の1票を直接左右した、
という事実です。

ドント方式では、常に最後の1票をめぐる争いが僅差になります。
今回のケースでは本来なら同票になるはずだった票配分が、
高市派の党員票が消えたことで小泉派有利の結果に覆ってしまいました。

これは、全国の党員票(295票)の集計にそのまま影響します。
小泉氏が1票増やし、高市氏が1票減らすことで、両者は「2票の差」が開くことになります。
総裁選のような大接戦においてこの2票は、勝敗を分ける上で決定的な重みを持つ可能性があり、今回の問題が単なる事務的なミスではなく、
選挙の公正さそのものを揺るがす重大な事態であることを示しています。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
他の記事もございますのでそちらのほうもよろしくお願いいたします。

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