皆さんは財閥という言葉を授業やニュースなどで聞いた言葉あると思いますが、お金持ちのグループそんなイメージしかないと思います。
しかし、財閥とは単なるお金持ちグループではありません。むしろ、日本の近代化を支え、戦争と産業化を経て解体と再編を経験しながら、現代にも影響をする巨大な経済構造の一形態です。
この記事では、財閥の定義・現代への影響までを「財閥とは何なのか」「なぜ今も話題になるのか」を中心に解説していきます。
財閥の定義
財閥とは創業家が持株や役員を通じて支配する縦関係の企業であり、企業の銀行を通じた資金循環と、原料調達→生産→流通→販売までを自前で行う巨大な経済力を確立した存在です。
- 本家による支配
- 製造から販売まで
- 銀行の創立
この三つによってどのような強みがあったかというと、グループの銀行が資金供給権を得ることで設備投資や合併を本家が主導で進められ、政府の大規模発注や海外展開でも迅速に対応できるため、日本の急激な成長を支えていました。この構造こそが財閥の強みなのです。
- 三菱財閥:海運(後の日本郵船)→造船→重工業(三菱重工)→商社(三菱商社)
- 三井財閥:鉱業→製造→商社(三井物産)→金融(後の三井住友銀行)
財閥の歴史
ここからこの財閥がいつ・どのように形成されたかを説明していきます。
財閥の起源
財閥は江戸時代の豪商・両替商(後の三越、住友など)が資本基盤となり、明治維新の近代化によって政府の公共事業と結びついて財閥化した。
財閥の解散
戦後GHQは財閥解体を実施し、財閥の解体を進めた。しかし冷戦下の政策修正や実務上の困難から、結果的に縦関係→横関係への再編(系列化)が進みました。
戦後の改革
戦後、日本の企業の関係は縦関係から横の相互出資・取引関係に変化しました。いわゆる系列は、銀行を中心に企業が互いに株を持ち合い、長期取引で結ばれる仕組みです。形式は変わっても旧財閥系企業のブランドや人的ネットワークは残り、産業や地域の構造に強い影響を与え続けました。
問題点
もちろん問題点もあります。
- 財閥と行政の癒着
- 独占・寡占状態の定常化
行政が民間に委託する際に財閥が大きな力を持つため、財閥と企業との癒着が考えられ、財閥が存在することで参入障壁が上がり、また合併などにより業界によっては独占・寡占状態が続くことが考えられます。
現在への影響
制度上の財閥は消えましたが、影響力は今も存在しています。例えば「三菱グループ」は三菱UFJ銀行・三菱商事・三菱重工などを中心に、「三井グループ」は三井住友銀行・三井物産・三井不動産など、形式上は独立企業ですが、定期的な会合や共同事業を通じ、緩やかなネットワークを維持しています。
まとめ
財閥は近代化を支えた企業形態であり、現代の企業グループやM&Aの原型とも言えます。その影響は、効率的な企業運営やブランド力の形成といった形で現代にも存在しています。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ご意見・ご質問・ご要望がある方は以下のTwitterやInstagramのdmまで
よろしくお願いいたします。
出典
日本の財閥ー成立・発展・解体の歴史ー 松元宏 http://purl.org/coar/resource_type/c_6501
Wikipedia 財閥 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1%E9%96%A5


コメント